『図書新聞』2018年7月21日号の「読書アンケート」で田中祐介編『日記文化から近代日本を問う』(笠間書院)が取り上げられました。
2018年度上半期の書籍・雑誌等の中から印象に残った3点を選ぶ、というアンケートで、近代日本言語史の安田敏朗さん(一橋大学)が本書を選んで下さいました。「時代、書き手、目的の異なるさまざまな日記を素材に多様な議論がなされている。他人の書いた日記はのぞいてみたいものなので、それぞれに興味深い。今後は、「書かされ」ること、それを含めたリテラシーのあり方についていま一歩踏み込んだ展開を期待したい」とのお言葉をいただきました。
「書かされる」ことを含む「行為としての日記」は、本書の総論でも取り扱い、第一部「自己を綴ることの制度化」を中心に掘り下げた主題でもあります。が、視角としては比較的新しいだけに、本格的な考察はまだまだこれからでもあります(3月の書評会でも、今後ますます掘り下げて欲しいとのご指摘を頂きました)。叱咤激励のお言葉と捉え、精進して参ります。