第39回研究会のご案内

急に冷え込むようになりましたが、みなさまお元気にお過ごしでしょうか。
このたびは12月9日(土)に開催いたします、第39回研究会のご案内を差し上げます。

今回の研究会は、田中祐介(明治学院大学・国立歴史民俗博物館)が代表を務めます国立歴史民俗博物館共同研究(基盤研究)「近代東アジアにおけるエゴ・ドキュメントの学際的・国際的研究」の第7回研究会との共催として開催いたします。

研究報告はお二方にお願いすることができました。
お一人目は、早稲田大学大学院文学研究科に在籍する石川かれんさんです。石川さんは明治大正期の日記体の小説をご研究されており、今回は水野葉舟の作品を題材にご報告くださいます。取り扱う作品集『響』(第5版)は国立国会図書館デジタルコレクションで全文が閲覧できます:https://dl.ndl.go.jp/pid/887987
特にこのうち「忘却」「手」「某月某日」が日記体の小説となりますので、ご参加くださるみなさまはお目通しいただければ幸いです。またこの書の「序」(デジタルコレクションでは「標題紙」の目次に収録)は水野の文学を考える上で重要な内容とのことですので、あわせてご参照ください。

もうお一人は、神戸大学の長志珠絵さんです。長さんは近年、神戸を中心とした空襲・戦災資料のアーカイブに取り組まれています。その成果の一部を『神戸から・神戸へのてがみー疎開児童と家族の1945年』(2019年)、『空襲下の神戸ー日々の記録から』(2022年)等として公開されてきました(どちらも「神戸空襲を記録する会」による刊行)。このたびのご報告では、アジア太平洋戦争末期の兵庫と神戸で綴られた日記資料を中心的に取り扱うとともに、疎開先との往復書簡もご紹介くださるとのことです。

どちらのご報告も大変楽しみにしております。研究会の開催形態は、今回も「対面開催を基本としたオンライン併用」とさせていただきます。ご関心がございましたら、ぜひご参加ください。お申し込みの受付フォームを設けましたので、ご参加くださる場合、お手数ですがご記入いただければ幸いです(フォームでの受付は12月6日まで、懇親会にご参加くださる場合は11月27日までにご記入ください)

今回も多くのみなさまと学びの場をご一緒できますこと、心より楽しみにしております。
以下に当日のプログラムを掲示いたしますので、ご参照ください。

田中祐介

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「近代日本の日記文化と自己表象」第39回研究会
(国立歴史民俗博物館共同研究(基盤研究)「近代東アジアにおけるエゴ・ドキュメントの学際的・国際的研究」第7回研究会との共催として)

【開催日時】
 2023年12月9日(土) 13:30-17:30

【開催場所】
対面を基本としたハイブリッド開催(対面:明治学院大学白金キャンパス、オンライン:Zoom利用)

【研究会次第】
1. 報告と展望(13:30-14:00)
  ※参加者自己紹介の時間を設ける予定です
2. 研究発表(14:10-17:30)
「日記体の小説を書く/読むこと――水野葉舟『響』および「北村の日記」における回想と忘却の自己語り」(石川かれん、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程)
「空爆下の日々を綴る―アジア太平洋戦争末期・空爆下の兵庫/神戸―」(長志珠絵、神戸大学国際人間科学部教授)