「近代日本の日記文化と自己表象」第22回研究会のご案内

7月6日(土)に開催いたします第22回研究会の詳細が決まりましたので、ご案内申し上げます。

今回のご報告は、お三方にお願いすることになりました。
まずは前回研究会でもアナウンスした真辺駿さん(東京学芸大学大学院)と、堤ひろゆきさん(上武大学)です。

真辺さんは、小学校教師である長島重三郎(1878-1967)の日記を題材に、長島の自己意識、社会意識を審らかにしてくださると同時に、当時にあって「教師」とはいかなる存在で、地域社会にどのような役割を果たすべきものと位置づけられたかを、社会教育史の文脈で検討くださいます。

堤さんは、大正期の六週間現役兵の日記を扱ってくださいます。これは、田中祐介編『日記文化から近代日本を問う』(笠間書院、2017)のご論考で検討された大正期の教育実習日記(「近代日本の日記帳コレクション」所収、資料番号39-1:http://diaryculture.com/database/)の続編となるものです(資料番号39-2)。他の六週間現役兵の日記と比較しながら、日記の点検者である教官とのやりとりの意味を含め、この日記の特徴を考察してくださいます。

更に今回は、卒業論文の制作に取り組まれている立教大学文学部の長藤菜々さんにもご報告いただくこととしました。研究会の前半に特別枠を設け、有明淑の日記に基づく太宰治の作品「女生徒」について、研究の成果をご報告いただきます。他者の視線による「私」の揺らぎ、世界と「私」とのあいだに差し挟まれるさまざまな「フィルター」の機能、遠くにあって手の届かないものにしか「幸福」を感じることができない主人公の感受性などを、明らかにしてくださるそうです。

今回はご報告をお三方にお願いするに伴い、研究会の開始時刻を30分早め、13時としました。ご来場の際には、この点にご注意ください。

今回もみなさまぜひ奮ってご参加ください。研究会はどなたでもご参加いただけますが、会場の都合と資料の部数確保のため、お手数ですが事前に下記アドレスまでご連絡頂ければ幸いです:nikkiken.modernjapan(アットマーク)gmail.com(代表:田中祐介・明治学院大学)

それでは、会場でお目にかかることを心より楽しみにしております。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「近代日本の日記文化と自己表象」第22回研究会

【開催日時】
 2019年7月6日(土) 13:00-18:00

【開催場所】
 明治学院大学白金キャンパス 1号館8階81会議室

【研究会次第】
 1. 報告と展望(13:00-13:20)
   「近代日本の日記資料データベース」の第一次公開
   2019年9月28日、29日開催シンポジウムの詳細
 
 2. 研究発表1(13:30-14:40)
   「幸福は一夜遅れてやってくる––太宰治「女生徒」論––」(長藤菜々、立教大学文学部学部4年生)   
 3. 研究発表2(14:50-18:00)
   「大正期における社会教育と小学校教師―「長島重三郎日記」を手がかりに―」(真辺駿, 東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程)
   「六週間現役兵の軍隊経験-『軍隊日誌』の記述と体裁から-」(堤ひろゆき, 上武大学ビジネス情報学部専任講師)

※会の終了後、希望者は懇親会へ