「近代日本の日記文化と自己表象」第21回研究会のご案内

第20回を記念する前回研究会には沢山のみなさまにご来場いただき、心より御礼申しあげます。5月11日(土)に開催いたします第21回研究会の広報準備が整いましたので、ご案内申し上げます。

今回のご報告は、徳山倫子さん(日本学術振興会)と西田昌之さん(チェンマイ大学・国際基督教大学)のお二人にお願いしました。

徳山さんは、県農会立女学校の生徒・卒業生作文を取り上げてくださいます。県農会立女学校は農村の「模範処女」の養成を目的として、1920-30年代に複数県に設置されたもので、徳山さんはそうした学校の生徒・卒業生の作文を題材に、農村の未婚女性の自己表象について検討くださいます。

西田さんは、漆芸家・生駒弘のタイ滞在時の日記(1957-1961)と、約20年後に執筆された自伝を比較してくださいます。日記に綴った経験を、いかに「自己の人生の物語」として綴り直したか。自己記述の物語化に伴う取捨選択と変容について、詳細にご検討くださいます。

今回もみなさまぜひ奮ってご参加ください。研究会はどなたでもご参加いただけますが、会場の都合と資料の部数確保のため、お手数ですが事前に下記アドレスまでご連絡頂ければ幸いです:nikkiken.modernjapan(アットマーク)gmail.com(代表:田中祐介・明治学院大学)

それでは、会場でお目にかかることを心より楽しみにしております。

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「近代日本の日記文化と自己表象」第21回研究会

【開催日時】
 2019年5月11日(土) 13:30-17:30

【開催場所】
 明治学院大学白金キャンパス 1号館8階81会議室

【研究会次第】
 1. 報告と展望(13:30-14:00)
   AASの参加報告
   「女性の日記から学ぶ会」23周年のつどい(6月1日)のご案内
   旧制高等学校記念館・夏期教育セミナーのご案内
   「近代日本の日記資料データベース」進捗
   2019年9月開催シンポジウムの基本計画

 2. 研究発表(14:10-17:20)
   「農村の「模範処女」としての自己表象―1920-30年代における県農会立女学校の生徒・卒業生作文を題材に―」(徳山倫子, 日本学術振興会特別研究員PD)
   「自己記述の物語化における取捨選択と変容:漆芸家生駒弘のタイ滞在日記と自伝の比較から」(西田昌之, チェンマイ大学文学部日本研究センター助教授・国際基督教大学アジア文化研究所研究員)

※会の終了後、希望者は懇親会へ

AAS in Denverでの『タリナイ』上映

2019年3月21日から24日まで米国のデンバーで開催されたAAS(Association for Asian Studies)の年次大会に参加してきました。AASは米国では最大規模のアジア研究学会で、3〜5名程度で構成される発表パネルが400近く(!)あるという大きさです。 当プロジェクト(「近代日本の日記文化と自己表象」)では、これまで活動成果として、AASの支部的学会であるASCJ(Asian Studies Conference Japan)や、開催地をアジアに限定したAAS in Asiaで発表してきました(ASCJ 2015, AAS in Asia 2016)。今回は発表のお務めはなく、研究交流の機会としての参加です。

AAS in Denver会場のシェラトンホテル

AASでは毎年、研究発表のほかに、ドキュメンター映画の祭典であるFilm Expoが同時開催されます。会場の受付には、ブックレットも用意されていました。 審査を経て、23本の作品が会期中に上映されます。今回からの新しい試みとして、上映を見逃してもオンデマンドで観られるサービスもありました。研究発表と映画上映が重なっていることも多く、嬉しい配慮です。

Film Expoの最終日、23日の17:15から、大川史織監督の『タリナイ』が上映されました。 大川さんには、2018年12月に開催した「近代日本の日記文化と自己表象」第19回研究会でご講演いただきました。ありがたいことに、アップリンク渋谷での上映の最終日、ゲストとしてお招き下さったという縁もあります。

大川さんは、『タリナイ』の監督であるとともに、『マーシャル、父の戦場』(みずき書林、2018)の編者でもあります。餓死した日本兵の日記という貴重な歴史資料を明るみに出す意義はもちろんのこと、読者が日記本文に向きあう助けとなる様々な仕掛けが極めて魅力的で、刊行を知ったときには大変刺激を受けました。日記本文をこの企画の骨格とするなら、その肉づけの見事さにより、多くの読者に読まれうる一冊として仕上がったのだと思います。

過去に存在した人々の生きた証とも言える日記ですが、いざ翻刻・刊行しても、多くの読者を得ることはなかなか難しいことです。 『マーシャル、父の戦場』は、日記資料を刊行する際の、一つの理想形であるように思われました。

AASの展示ホールでは、日本の出版社の出展も多く、『マーシャル、父の戦場』も日本出版貿易株式会社のご厚意により、展示されました。

『タリナイ』監督の大川史織さん

映画の上映は、国外では初の機会です。映画をすでに何度か鑑賞した身としては、会場の反応がどのようなものであるか、楽しみでした。観られる、読まれる環境が違えば、おのずから反応も異なる。制作者や、国内の鑑賞者(もちろんそれ自体多様ですが)とは違う受取り方も当然あるでしょう。

日記の書き手である佐藤冨五郎さんは、軍隊生活ならではの抑制された、漢字カタカナ混じりの文体で、日々の出来事を綴りました。 抑制的な文体には、しかし個性を殺すべき一兵士には似つかわしくない、極めて私的な喜怒哀楽と、家族への思いも滲み出ます。

抑制された––––軍隊組織の中ですから、抑圧されたと言った方が適切でしょう。抑圧的な環境の中で生まれた文体だからこそ、滲み出る個人の声は、痛切に響きます。それが比較的シンプルな英文に置き換えられ、字幕に現れるとき、どのように響くのか––––そんなことも気になりつつ上映に臨みました。

AAS Film Expo会場

上映開始時には続々と来場者があらわれ、延べ60名ほどが鑑賞したでしょうか。 学会中の上映ですから、研究者や出版業者も多い中、一般参加(Film Expoは無料)も見られました。

幸いなことに、上映を知ったデンバー在住のマーシャル国籍(しかも映画の舞台であるウォッチェ島ご出身)の方々も来場されました。 鑑賞者の映像に見入る姿も印象的で、上映後の大川監督による英語の質疑応答も含め、初の海外上映は、大成功だったと言えます。

質疑応答時、ウォッチェ島出身の来場者を前にして

環境が違えば反応も異なる。興味深かったのは、作中では重要と言える場面での、会場のあちこちから上がった、予期せぬ、しかし真摯な鑑賞から生まれたと言うべき笑いの声でした。

一箇所は、冨五郎さんが日記の中で、「勉君ドウシタカナー」と、2歳のときに別れた息子の勉さんに思いを馳せる場面です(『マーシャル、父の戦場』では211-212ページ)。

画面にはマーシャルの青い海と空を背景に、日記本文が浮かび、中耳炎にかかった幼い勉さんの耳掃除を、冨五郎さんがしてあげたことが回想されます。

この場面で映される美しく青い海と空は、飢えと戦う戦時下のマーシャルの冨五郎さんが見つめ、見上げたものであり、同時に今日のマーシャルを訪れた勉さんたちが、あるいは映画を鑑賞する皆さんが、見つめ、見上げるものでもあります。

遠く空間的に離れた息子を気にかける冨五郎さんの思いは、長い時間の隔絶を超え、あたかも今日の勉さんに届き、勉さんの父への思いと共鳴するかにも感じられます。

同時に、(今日の日本の)鑑賞者は映画を通じ、空間的に隔たり、知らなかったマーシャルを身近に感じながら、この場面では、時間的に隔たり、知らなかった戦争の時代の、ひとりの父の経験と感情を追体験することにもなります。

青い海と空を媒介として、故人の遺した言葉の作用により、隔絶した空間と時間の、様々な経験と記憶が再び繋がり、未来への意味を持ち始めたとも思われる印象的な場面だと思います。私(田中)の学生も、この場面について、「何年経っても忘れない気がする」「言葉で表すのが難しい大きな、初めての感情を抱いた」と記しています。

AASの会場において、この場面で起きた笑いの声は、どのような感情の喚起に由来したのでしょうか。父親と子供の微笑ましいエピソードとして受け取ったのか。父を慕う子の姿を思い浮かべ、可愛らしいと思ったのか。あるいはまた異なる理由か。どのような父と子の物語を、鑑賞者は見出したのか。あいにく上映後は慌しく会場撤収となり、このあたりの確認はできませんでした。

もう一箇所、これは映画の最後に登場するセリフ。これから映画をご覧になる方もおいででしょうから具体的には示しませんが、ここでも、決して否定的ではない、むしろ映画への真摯な反応として、会場の数名から笑いが起きました。日本の上映時には、少なくとも私も、監督である大川さんも経験しなかったことです。環境が違えば反応も異なるとして、物語を締めくくると同時に、鑑賞者に問いを投げかけるセリフ、「コイシイワ アナタガ イナイト ワタシ サビシイワ」の旋律とともに、鑑賞者を再び映画の始まりに連れ戻すようなセリフは、どのような意味を帯びた文言として今回の来場者には受けとめられたのか。

これも、今後の機会があれば、確かめてみたいと思います。

上映後の記念撮影

「近代日本の日記文化と自己表象」第20回研究会のご案内

3月9日(土)に開催いたします第20回研究会についてご案内申し上げます。
当研究会も、おかげさまで第20回を迎えることとなりました。これもひとえに皆様のおかげであると、心よりの感謝を申し上げます。

今回は、宮本温子さん(筑波大学大学院)と鬼頭篤史さん(京都大学大学院)のお二人にご報告いただきます。

宮本さんは、「自己をつづること」の公的実践に関わる問題提起として、明治二十年以降に全国に流通した文芸投書雑誌『文庫』『新声』の記事を分析してくださいます。この二誌が読者に対していかに「地方青年」としての共同体意識を芽生えさせたか、地方青年たちは誌面上でどう「地方」を語り、「地方文壇」に関わったのかが大きなテーマになるとのことです。

鬼頭さんは、サラリーマン規範における手帳文化を扱ってくださいます。近年の手帳ブームには眼を見張るものがありますが、ご報告では、戦前期に形づくられた日本のサラリーマン規範(サラリーマンとはどうあるべきか)を踏まえ、その必須アイテムとも言える手帳に言及されるようになった昭和戦後期を中心に、この主題を論じてくださるとのことです。

みなさまぜひ奮ってご参加ください。研究会はどなたでもご参加いただけますが、会場の都合と資料の部数確保のため、お手数ですが事前に下記アドレスまでご連絡頂ければ幸いです:nikkiken.modernjapan(アットマーク)gmail.com(代表:田中祐介・明治学院大学)

【映画『タリナイ』その後】
前回開催の第19回研究会では、『マーシャル、父の戦場』(https://www.mizukishorin.com/marshall)の編者であり、上映中の映画『タリナイ』(https://www.tarinae.com)の監督である大川史織さんはじめ、日記を読み解いた「金曜調査会」(https://www.mizukishorin.com/04-8)の皆さんにご講演をいただきました。

『タリナイ』はその後も各地で上映されていますが、3月21日から24日までデンバーで開催されるAAS(Asociation for Asian Studies)年次大会でのFilm Expo(https://www.eventscribe.com/2019/AAS/agenda.asp?pfp=expo)でも上映が決まりました。また、直近では、2月20日(水)に、高田馬場の「ピースボート東京」でも上映の機会があります(http://peaceboat.org/26204.html)。ご関心があり、見逃された方のために、ご案内申し上げます。

それでは、皆さまに再会できますことを心より楽しみにしております。

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「近代日本の日記文化と自己表象」第20回研究会

【開催日時】
 2019年3月9日(土) 13:30-17:30

【開催場所】
 明治学院大学白金キャンパス 1号館8階81会議室

【研究会次第】
 1. 報告と展望(13:30-14:00)
   新刊案内:ビュールク・トーヴェ『二代目市川團十郎の日記にみる享保期江戸歌舞伎』  
   映画『タリナイ』のAAS上映
   日記資料を読み解く会の可能性
   「戦場」と「銃後」の日記データベース公開に向けて
   2019年9月開催シンポジウムの概要
   
 2. 研究発表(14:10-17:20)
   「文芸投書雑誌『文庫』『新声』にみられる「地方文壇」の青年の共同体意識と「中央文壇」へのまなざしーー小木曽旭晃と入澤凉月の事例を中心にーー」(宮本温子、筑波大学図書館情報メディア研究科博士前期課程)
   「日本のサラリーマン規範における手帳文化―昭和戦後期を中心に―」(鬼頭篤史、京都大学大学院人間・環境学研究科研修員)

「近代日本の日記文化と自己表象」第19回研究会のご案内

師走を迎え、寒い日々も続きますが皆さまお元気にお過ごしでしょうか。

さて、諸般の調整に時間を要し、ウェブ掲載が遅くなりましたが、
下記の要領で「近代日本の日記文化と自己表象」第19回研究会をご案内申し上げます。

今回は二本のご報告に加え、一年の締めの特別企画として、講演会を開催いたします。

まずは、小泉紀乃さん(奈良女子大学大学院)に、明治大正期の「遺書」についてご報告いただきます。有名な藤村操の「巌頭之感」を中心に、メディア言説上の遺書の生者への働きかけを問題にしてくださいます。

二番目のご報告は、魏晨さん(名古屋大学博士候補研究員)にお願いしました。1930年代の日満綴方使節を題材に、満洲国の子供たちが「内地」をどう眼差し、綴ったかを論じてくださいます。博士論文の内容を踏まえ、新たな知見にも基づいたご報告を頂けるとのことです。

講演会は、前回研究会でご紹介した『マーシャル、父の戦場』(https://www.mizukishorin.com/marshall)の編者であり、上映中の映画『タリナイ』(https://www.tarinae.com)の監督である大川史織さんをお招きし、書籍と映画が生まれるそもそもの前提となった、佐藤冨五郎日記の読み解きのご経験についてお話いただきます。佐藤冨五郎さんは、敗戦近い1945年、ウォッゼ島で餓死しましたが、死の直前まで日記を綴っておいででした。今回は大川さんにお声がけしましたが、嬉しいことに、出版元であるみずき書林代表の岡田林太郎さん、日記を読み解いた「金曜調査会」(https://www.mizukishorin.com/04-8)の皆さんもご参加くださることになりました。

いつも以上に賑やかで充実した会になりそうで、主催者としても、今から楽しみにしております。
ご参加をご希望される方は、会場の都合と資料の部数確保のため、
お手数ですが事前に下記アドレスまでご連絡ください:nikkiken.modernjapan(アットマーク)gmail.com(代表:田中祐介・明治学院大学)
ご参加される方の人数が把握でき次第、会場をご案内いたします。

田中祐介

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「近代日本の日記文化と自己表象」第19回研究会

【開催日時】
2018年12月22日(土) 13:00-

【開催場所】
明治学院大学白金キャンパス(会場調整中)

【研究会次第】
1. 報告と展望
2. 研究発表
「遺書で語ること、遺書を語ることーー藤村操「巌頭之感」をめぐるメディア言説の暴力性」(小泉紀乃・奈良女子大学大学院人間文化研究科博士前期課程)
「日満綴方使節と『綴方日本』ーー「満洲国」の子供が<内地>をどう見ていたのか」(魏晨・名古屋大学人文学研究科博士候補研究員)
3. 講演会
「佐藤冨五郎日記を体験するー『マーシャル、父の戦場』刊行をめぐる歴史実践」(「金曜調査会」メンバー:今井勇・大川史織・岡田林太郎・柏原洋太・斉藤涼子・中野良・番定賢治・福江菜緒子)

映画『タリナイ』の上映後にゲストとして登壇します

2018年9月15日開催の第18回研究会にて、大川史織編『マーシャル、父の戦場』(みずき書林、2018:https://www.mizukishorin.com/marshall)と、編者である大川さんが監督を務められた映画『タリナイ』(https://www.tarinae.com)をご紹介しました。

戦時下のマーシャルで餓死した日本兵の佐藤冨五郎さんは、死の間際まで日記を綴っていました。それが奇跡的にご遺族のもとに渡り、時を経て、読み解かれる。この書籍と映画は、冨五郎日記が後世に遺らなければ、生まれなかったと言えるでしょう。

映画は2018年9月29日(土)より渋谷アップリンクにて上映開始、好評により11月30日(金)まで期間延長しています(12月1日より横浜シネマリンにて上映)。このたび縁あって、当ウェブサイトの管理人(田中祐介)が、30日の最終日に上映後にゲストとして登壇することになりました:http://www.uplink.co.jp/movie/2018/52198

間際のご案内とはなりますが、みなさまこの機会にぜひ映画をご覧になってください。

『日本近代文学』第99集で『日記文化から近代日本を問う』をご紹介頂きました。

『日本近代文学』第99集(2018年11月刊行)にて、田中祐介編『日記文化から近代日本を問う』をご紹介いただきました。竹内瑞穂さん(愛知淑徳大学准教授)によるご紹介です。

「『日記』論とは、これほど多様な領域に開かれているのか。そんな感慨を覚える」「近代日本の日記文化については、近年その『国民教育装置』としての側面が批判的に論じられてきたわけだが、本書はそうした側面にも目配りをしつつ、その枠組みを時に突き抜けてしまう個々の〈書くこと〉への欲望を捉えようとしていく。ここには近代日本で『日記』を綴るということ、さらには〈書くこと〉にはどのような意味と可能性があったのかを問い直す手がかりが溢れているといえるだろう」。

本書の問題意識と狙いを汲み取ってくださり、心より感謝申し上げます。

「近代日本の日記文化と自己表象」第18回研究会のご案内

全国的な酷暑が落ち着くにはもう少々かかりそうですが、皆さまお元気にお過ごしでしょうか。
9月15日(土)に開催いたします第18回研究会の詳細が決まりましたので、ご案内申し上げます。

今回もご報告は二本立てです。
まずは、『近現代日本の教養論 一九三〇年代を中心に』(行路社、1997)の著者である、渡辺かよ子さん(愛知淑徳大学教授)によるご報告です。
ご報告では、ちょうど1930年代の後半に、旧制第一高等学校で学生生活を送った阪谷芳直の日記を題材として、その内面生活と時代意識を明らかにして下さいます。

もう一つのご報告は、先日出版されたばかりの、女性の日記から学ぶ会編『時代を駆ける2 吉田得子日記戦後編1946-1974』(http://d.hatena.ne.jp/mizunowa/20180605)に基づきます。この書の制作に携われた島利栄子さん、高崎明子さん、西村榮雄さんが、前作(https://sumus.exblog.jp/18360139/)の内容とあわせ、ご報告くださいます。

今回も充実したご報告になりそうで、主催者(田中祐介)自身、今から楽しみにしています。
研究会はどなたでもご参加いただけますが、会場の都合と資料の部数確保のため、お手数ですが事前に下記アドレスまでご連絡頂ければ幸いです:nikkiken.modernjapan(アットマーク)gmail.com(代表:田中祐介・明治学院大学)

ありがたいことに毎回、新規のご参加お申し出を頂いています。
ぜひお気軽に、奮ってご参加ください!

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「近代日本の日記文化と自己表象」第18回研究会

【開催日時】
2018年9月15日(土) 13:30-17:30

【開催場所】
明治学院大学白金キャンパス本館9階、92会議室

【研究会次第】
1. 報告と展望(13:30-14:10)
「『戦場』と『銃後』の日記資料データベース」の進捗報告
『日記の館 一号館』(長野県東筑摩郡筑北村)夏の開館イベントの参加報告
旧制高等学校記念館・第23回夏期教育セミナーのご報告
私小説研究会との協働について
2019年度の国際シンポジウム開催について

2. 研究発表(14:20-17:30)
「1930年代の旧制高等学校における『生きられた教養』 阪谷芳直の〈内面の日記〉より」(渡辺かよ子・愛知淑徳大学教授)
「『吉田得子日記戦後編』出版 女性一代記完結を記念して」(島利栄子・女性の日記から学ぶ会代表、高崎明子・同会会員、西村榮雄・同会会員)

※会の終了後、希望者は懇親会へ

『史学雑誌』127編第5号(2018年6月)の「回顧と展望」で『日記文化から近代日本を問う』が取り上げられました。

『史学雑誌』の127編第5号(2018年6月)「回顧と展望」特集号で田中祐介編『日記文化から近代日本を問う』(笠間書院)を取り上げていただきました。嬉しいことに、近代編の「総説」(真辺将之氏執筆)、「10 メディア」(渡辺桂子氏執筆)の二項に本書が登場します。

「総説」(同誌152頁)では、「私文書にかかわるものとしては、日記を題材にした総合的研究として田中祐介編『日記文化から近代日本を問う』(笠間書院)が出た。学校教育での日記執筆週間の育成や、他国との比較など多様な視角から、歴史学を含む諸分野の研究者が日記を分析している。その分析の多様さからは、日記を読み解く研究者の日記との向き合い方の重要性が逆照射される」と評して頂きました。

「10 メディア」(同誌176頁)では、「読者ー読書文化研究の論点は、田中祐介編『日記文化から近代日本を問う』でも対象を変え共有される。本書は書記文化全体を射程に入れ、史料・モノ・行為としての日記文化を分析、制度的背景や規範性にも切り込み、現時点でのひとつの到達点といえる」と評して頂きました。

どちらも本書の趣旨を汲み取った上での評価を頂き、嬉しいことです。お言葉を励みに、研究活動を促進して参ります。

『図書新聞』2018年7月21日号「読書アンケート」で『日記文化から近代日本を問う』が取り上げられました。

『図書新聞』2018年7月21日号の「読書アンケート」で田中祐介編『日記文化から近代日本を問う』(笠間書院)が取り上げられました。

2018年度上半期の書籍・雑誌等の中から印象に残った3点を選ぶ、というアンケートで、近代日本言語史の安田敏朗さん(一橋大学)が本書を選んで下さいました。「時代、書き手、目的の異なるさまざまな日記を素材に多様な議論がなされている。他人の書いた日記はのぞいてみたいものなので、それぞれに興味深い。今後は、「書かされ」ること、それを含めたリテラシーのあり方についていま一歩踏み込んだ展開を期待したい」とのお言葉をいただきました。

「書かされる」ことを含む「行為としての日記」は、本書の総論でも取り扱い、第一部「自己を綴ることの制度化」を中心に掘り下げた主題でもあります。が、視角としては比較的新しいだけに、本格的な考察はまだまだこれからでもあります(3月の書評会でも、今後ますます掘り下げて欲しいとのご指摘を頂きました)。叱咤激励のお言葉と捉え、精進して参ります。

「近代日本の日記文化と自己表象」第17回研究会のご案内

7月15日(日)に開催いたします第17回研究会の内容が定まりましたので、ご案内申し上げます。

今回のご報告は、根来由紀さん(立教大学大学院)と山守伸也さん(関西大学等非常勤講師)にお願いすることができました。

根来さんはこれまでずっと、研究会当日の運営を支えてくださいました。
今回はいよいよご報告でも会を盛り上げてくださいます。
中原中也の長男である文也の誕生から死去までの日記を中心に、
同時期に書かれた詩との比較分析をして下さるとのことです。

山守さんには、『日記文化から近代日本を問う』の出版後にご連絡をくださったことが縁となり、
今回のご報告をご快諾いただきました。
山守さんは博士論文で日記論を扱われています:
https://kuir.jm.kansai-u.ac.jp/dspace/handle/10112/9040
https://kuir.jm.kansai-u.ac.jp/dspace/handle/10112/8659

今回はこの博士論文での議論をベースに、『日記文化から近代日本を問う』の「総論」の議論との接続を試みて下さるとのことです。広く日記文化研究のあり方や可能性について議論できるようとのご配慮を頂きました。ありがたいことです。

当日は、8月中旬の「日記の館」(長野県東筑摩郡筑北村)開館イベントのご案内や、
「『戦場』と『銃後』の日記資料データベース」の進捗報告などもいたします。
また、今年度の今後の計画とも関わることですが、
「女性の日記から学ぶ会」の島利栄子さん、西村榮雄さんが、あいついで新著をご出版されました。
『時代を駆ける2 吉田得子日記戦後編1946-1974』、『堀江芳介壬午軍乱日記』です。
両方とも、みずのわ出版からの刊行です:http://d.hatena.ne.jp/mizunowa/
この二冊についても、ご案内をする予定です。

 研究会はどなたでもご参加いただけますが、会場の都合と資料の部数確保のため、お手数ですが事前に下記アドレスまでご連絡頂ければ幸いです:nikkiken.modernjapan(アットマーク)gmail.com(代表:田中祐介・明治学院大学)
みなさまぜひ奮ってご参加ください。

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「近代日本の日記文化と自己表象」第17回研究会

【開催日時】
 2018年7月15日(日) 13:30-17:40

【開催場所】
 明治学院大学白金キャンパス本館9階、92会議室

【研究会次第】
 1. 報告事項(13:30-14:20)
   「『戦場』と『銃後』の日記資料データベース」の進捗報告
   新著『時代を駆ける2 吉田得子日記戦後編1946-1974』のご案内
   新著『堀江芳介壬午軍乱日記』のご案内
   「女性の日記から学ぶ会」22周年のつどい(7月7日開催)参加報告
   旧制高等学校記念館・第23回夏期教育セミナーのご案内
   シンポジウム「日記から読み解く高度成長期日本民衆の意識と行動」(10月20日開催)のご案内
   【新資料】多声響く……学級日誌のご紹介

 2. 研究発表(14:30-17:40)
   「中原中也の日記と詩作――長男文也との『生活』」(根来由紀、立教大学大学院)
   「現代日本における日記文化研究の社会学的転回:〈日記メディア〉と〈日記行為〉という視点から」(山守伸也、関西大学等非常勤講師)

  ※会の終了後、希望者は懇親会へ